3月8日出版東京新聞
水樹奈々いつか演歌を 『紅白』出場果たし新たな地平開ける
http://www.tokyo-np.co.jp/article/enter ... 00096.html引言回覆:
昨年、NHK紅白歌合戦に出場し一躍、全国区の存在となった。声優史上初の快挙がクローズアップされたが、もともとは演歌歌手志望。紅白出場は「究極の夢」で、それをかなえた感動と興奮は今も続いている。
「あこがれの演歌歌手やアーティストの方々と同じ舞台に立っていたなんて、いまだに信じられない。あまりにも大きい、奇跡のような出来事でした」
紅白では自作詞の「深愛」を披露し、パワフルな歌声で観衆を魅了した。その礎を築いたのは、歌謡教室を開いていた両親だった。
「小さいころは毎日、歌のレッスンを受けていました。結構スパルタでしたね。のど自慢大会や発表会にも事有るごとに参加して、演歌を歌っていました」
紅白出場は家族全体の夢でもあったが、父が二〇〇八年に病気で他界。熱唱には、自分を育て、支え、応援してくれた父への思いも込められていた。「自分の力は出し切れたので、喜んでくれたと思います。本当に歌が大好きなお父さんだったので、一緒に舞台に立っていたかもしれませんね」とステージを振り返る。
以降、周囲の状況に変化が起きた。「年配の方たちから『水樹さんでしょ』『応援してるよ』って声を掛けられるようになって。驚きと同時に、感激しています」と笑顔がはじける。
◇
声優としての活動も順調だ。放送中のテレビ朝日のアニメ「ハートキャッチプリキュア!」(日曜午前8時30分)では、ヒロインの一人・花咲つぼみの声を務めている。人気シリーズの第七弾で、引っ込み思案なつぼみと、元気でおせっかいな来海えりか(声・水沢史絵)が伝説の戦士・プリキュアに変身し、悪の組織と戦いながら成長する物語。
「プリキュアは子供たちのあこがれだし、もともと、大好きだったシリーズ。私も夢を与えられる存在になれたんだと思うと、自然と力がわいてきます」
つぼみへの愛着もひとしおで、「共感できる部分がたくさんあるし、視点も似ている。シンクロ率も回を重ねるごとに上がっています」とニッコリ。作品への手応えは十分らしく、「戦闘シーンに迫力があって、大人も楽しめるアニメ。家族の会話のきっかけになっているという声をたくさんいただいていて、何よりうれしいです」と胸を張る。
二月に、早くも今年二枚目のシングル曲「Silent Bible」を発表するなど多忙だが、活動スタンスを変えるつもりはないという。「声優で演じるキャラクターから、いろいろなものの見方を教わっていますし、歌もいわば“五分間の芝居”。そこで出合った価値観が声優活動に役立っています。互いにいい影響を与えてくれるので、どちらもなくてはならない存在です」
演歌への思いも持ち続けている。
「演歌は人の心や生きざまを表現できるもの。もっともっと人生経験を積んで、表現力を培わなければなりませんが、いつか歌える時がくればいいなと思います」と目を輝かせた。
<みずき・なな> 1980年1月21日愛媛県生まれ。97年に声優デビュー。2000年にシングル曲「想い」で歌手デビュー。声優としての代表作は「魔法少女リリカルなのは」シリーズなど多数。歌手としてはシングル曲「PHANTOM MINDS」とアルバム「ULTIMATE DIAMOND」で、声優として初めて週間チャート1位を獲得している。